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遺言書作成・相続手続・成年後見

遺言書は元気なうちにこそ作成を

 

こんにちは、東京都中央区の行政書士・上級相続診断士の山田です。

今回は、「遺言書は元気なうちにこそ作成を」という重要なテーマについて、実際にあったご相談事例をもとにお話しさせていただきます。

「遺言書は人生のエンディングノートではありません。将来に備える“保険”のようなものです」

日々、相続や遺言、成年後見などのご相談を受けていると、「もう少し早くご相談いただければ…」と感じることが多々あります。本記事では、遺言書を作成できないまま意思が伝えられなくなってしまったあるご家族の事例をご紹介し、遺言書の作成がいかに重要であるかを解説してまいります。

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目次

ご相談内容:80代の父に突然の脳卒中、意思を伝えることができなくなった

先日、50歳代の女性からご相談がありました。

相談者のお父様(80歳代)は、半年前に突然の脳卒中で倒れ、現在は病院に入院中。四肢麻痺の状態で、言葉もろれつが回らず、会話が成立しにくいとのこと。いわゆる「遺言能力」は失われたと判断される状況です。

そのお父様には、前婚歴があり、前妻との間に2人の子どもがいます。しかしその2人の子どもとは長年不仲で、父子の間に連絡はなく、交流もまったくない状態とのこと。

娘さんは「父は絶対に、あの2人に自分の財産を渡したくないと思っているはずです」と話されていました。

ところが、父親は遺言書を一切作っておらず、現在は意思表示も困難な状態。つまり、法的には「遺言書の作成が不可能」な状態となってしまいました。

前婚の子供にも「法定相続権」があるという現実

日本の民法においては、結婚の形式に関わらず、「子ども」である以上は、実親の遺産を平等に相続する権利があります。これは、父親の「思い」や「感情」とは一切関係なく、法律によって自動的に発生する権利です。

今回の事例のように、「実子との関係が断絶している」「長年会っていない」「養育もしていない」という事情があっても、前婚の子どもである以上は、父親の法定相続人として相続分を主張することができます。

たとえば父親に子どもが3人いれば、それぞれが3分の1ずつの法定相続分を持つことになります。お父様が遺言で明示的に意思を示していれば、この配分を自由に調整することができたにもかかわらず、今回はそれができません。

遺言能力を失った今、できることは「ほとんどない」

遺言書は、「意思能力」がある人でなければ作成できません。今回のように、脳卒中により言葉が話せず、意識が不明瞭な状態では、「公正証書遺言」はもちろん、「自筆証書遺言」すらも認められません。

さらに、仮に自筆のメモのようなものがあったとしても、それが「遺言書として法的に有効かどうか」は厳しく判断されるため、遺志を実現できる可能性は非常に低くなります。

つまり、「元気なうちに遺言書を作成すること」ができなければ、自分の財産を“誰にどう渡すか”を決める権利は失われてしまうのです。

遺言書を作るなら「公正証書遺言」一択です

今回のような事例を防ぐためには、健康で意思能力が十分あるうちに、しっかりとした形で遺言書を作成しておくことが何よりも重要です。

そして、もっとも確実な方法は「公正証書遺言」の作成です。

公正証書遺言には以下のようなメリットがあります

・公証人が関与するため、法律的に確実で有効性が高い
・本人の意思能力がその場で確認され、後日争われるリスクが低い
・原本が公証役場に保管されるため、紛失・改ざんのリスクがない
・家庭裁判所の検認手続きが不要で、すぐに相続手続に入れる

高齢の親を持つ方や、相続トラブルの不安がある方こそ、この形式での遺言書作成をおすすめします。

こんな方には遺言書の作成をおすすめします

以下のような状況に該当する方は、特に「公正証書遺言」の作成を早めにご検討ください。

・再婚していて前婚の子どもとの関係が悪い
・特定の相続人には財産を渡したくない
・介護などで世話になった家族に多めに財産を渡したい
・法定相続人以外(たとえば内縁の配偶者や友人)に遺産を渡したい
・相続でもめる可能性が高いと感じている

「うちはまだ元気だから大丈夫」
「相続なんてまだまだ先のこと」

そう思っていても、突然の事故や病気で意思能力を失ってしまえば、もう遺言書を作ることはできません。

まとめ:遺言書は“元気なうちに”が鉄則です

人生はいつ、何が起きるかわかりません。
遺言書の作成は、決して“死ぬ直前にすること”ではありません。

むしろ、「何かあったときに備えるもの」であり、「意思をきちんと残すための手段」です。

今回のご相談のように、「父はこう思っていたはず」と言っても、それが文書になっていなければ、法的には“存在しない”のと同じです。悔しさを抱えても、それを覆す手段はありません。

「財産を渡したい人に、きちんと渡す」
「渡したくない人には、渡さない」

その意思を実現できる唯一の方法が、“遺言書”、特に“公正証書遺言”です。

また、このような渡したくない方がいても法定相続人には遺留分減殺請求権があるので、それも考慮しながらの作成が肝要です。

ご相談はお気軽にどうぞ

当事務所では、遺言書の作成や相続対策について、初回無料相談を行っております。
お一人おひとりの事情に応じて、適切なアドバイスとサポートをご提供いたします。

「まだ元気だけど、今のうちに備えておきたい」
「家族関係が複雑で、将来の相続が不安」

そんな方は、ぜひ一度ご相談ください。

📞 電話:03-3552-6332
📩 メール:info@future-design.info

公正証書遺言の作成サポート、相続トラブル予防の対策もお任せください。
東京都中央区の行政書士・上級相続診断士の山田が、心を込めてサポートいたします。

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