定住者と結婚したら在留資格は?

今回は、よくご相談いただくテーマのひとつ、「定住者」と外国人が結婚した場合の在留資格の扱いについて詳しく解説していきます。
日本では、日本人と外国人が結婚すると、原則として「日本人の配偶者等」という在留資格を申請することになります。
一方で、「定住者」と呼ばれる在留資格を持つ外国人が、外国籍の方と結婚した場合、同じように「定住者の配偶者等」という形になるのか、それとも別の在留資格になるのか、意外と知られていません。
結論から言うと、同じ「定住者」の枠組みの中で「配偶者」として在留資格が取得できます。
本記事では、この「定住者」の配偶者が申請する「定住者(告知定住)」という在留資格について詳しく解説し、申請方法や注意点までわかりやすくまとめます。
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目次
- ○ 「定住者」とはどのような在留資格か?
- ○ 「日本人の配偶者等」との違い
- ○ 「定住者」と外国人が結婚した場合の在留資格の扱い
- ○ 在留資格認定証明書交付申請とは?
- ○ 在留資格変更申請との違い
- ○ 「定住者の配偶者」の要件
- ○ 申請時の注意点
- ○ よくある質問(FAQ)
- ○ まとめ
「定住者」とはどのような在留資格か?
まずは基礎知識として「定住者」という在留資格について確認しておきましょう。
「定住者」は、法務大臣が個別の事情を考慮して在留を許可する告示に基づく在留資格です。
その対象となる人はあらかじめ「定住者告示」に例示されており、例えば以下のような方々が含まれます。
・日本人、永住者、定住者の配偶者の連れ子(未婚で未成年の実子)
・定住者の実子(未婚で未成年の実子)
・日系人(2世・3世)
・日系2世・3世の配偶者の子(未婚で未成年の実子)
・日本人、永住者。定住者の養子(6歳未満)
・日本人の配偶者との離婚や死別後に定住資格に変更した者
・定住を認められた難民
・その他法務大臣が相当と認めた者
就労に制限がないという点が大きなメリットです。多くの就労系ビザ(技術・人文知識・国際業務など)は職種が限られますが、「定住者」ならば基本的に職種制限なしに日本で働けます。
また、家族と日本で安定して生活していくための資格としても多く使われています。
「日本人の配偶者等」との違い
一方、「日本人の配偶者等」という在留資格は日本人と婚姻関係にある外国人が取得するものです。
「日本人の配偶者等」も就労に制限はありません。
日本人と外国人が結婚した場合にはこちらの資格を申請することになります。
では、「定住者」と外国人が結婚した場合はどうなるのでしょうか?
「定住者」と外国人が結婚した場合の在留資格の扱い
このケースが今回の本題です。
「定住者」と結婚した外国人は、在留資格「日本人の配偶者等」は使いません。
「定住者の配偶者」として同じ「定住者」資格の枠組みの中で在留資格を取得することになります。
これは「告示定住」と呼ばれる類型に該当します。
法務省が出している定住者告示(昭和61年法務省告示第132号)には、定住者の配偶者も対象として明記されています。
そのため、外国籍の方が「定住者」と婚姻した場合には、在留資格認定証明書交付申請を行い、新たに「定住者」の在留資格を得て入国または在留資格変更をする流れとなります。
在留資格認定証明書交付申請とは?
ここで少し用語の整理をしておきましょう。
外国籍の方が新たに日本に入国して「定住者」の資格を取得したい場合は、「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
これは、入国管理局(出入国在留管理庁)に事前に申請し、日本に上陸する前に「この人は日本で在留資格を取得できる資格がありますよ」という証明をもらう手続きです。
認定証明書が発行されたら、それを日本の大使館や領事館で査証(ビザ)申請時に提出し、日本に入国します。
在留資格変更申請との違い
すでに日本国内に別の在留資格で滞在している場合(たとえば留学や就労資格)で、「定住者の配偶者」として資格変更したい場合は、「在留資格変更許可申請」を行います。
状況に応じて認定申請か変更申請かを選ぶことになります。
「定住者の配偶者」の要件
では、「定住者の配偶者」として「定住者」の資格が認められるためには、どのような要件が必要でしょうか?
基本的には以下の要件を満たしていることが必要です。
(1) 真実の婚姻関係であること
婚姻が真実のものであること(いわゆる偽装結婚でないこと)が最も重視されます。
これを証明するために、婚姻証明書や戸籍謄本(日本の場合)、婚姻登録証明書(外国の場合)に加えて、結婚の経緯を説明する書類やスナップ写真、メール履歴などの提出を求められることがあります。
(2) 同居意思・生活基盤の確保
夫婦として同居し生活を共にする意思があることも要件となります。
さらに、日本で生活する上で必要な経済基盤が確保されているか(収入・預貯金など)も審査対象となります。
(3) 日本で生活する予定であること
単に資格取得だけを目的として婚姻していないか、日本で夫婦として生活する意思があるかが見られます。
そのため、海外赴任予定で日本に居住意思が明確でない場合などは注意が必要です。
申請時の注意点
(1) 結婚の真実性を十分に立証すること
前述の通り、偽装結婚を防止する観点から結婚の真実性は非常に厳しく見られます。
・交際期間や出会いの経緯
・会話手段(共通言語など)
・家族間の交流状況
・生活状況
などを丁寧に立証することが重要です。
(2) 経済基盤の証明
日本で安定して生活できる経済的な基盤があることも重要です。
配偶者(定住者)の収入が不足している場合には、預貯金の証明や親族からの援助状況など補足資料を準備しましょう。
(3) 申請タイミングに注意
既に他の在留資格で日本にいる場合は、変更申請のタイミングに注意が必要です。
在留期間満了前に余裕をもって申請を進めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 配偶者(定住者)の子供も「定住者」として呼び寄せられますか?
はい。配偶者の連れ子(未成年かつ未婚の子供)は「定住者」の資格で家族帯同が認められるケースがあります。
Q2. 「定住者の配偶者」になった後に離婚したらどうなりますか?
原則として、離婚後は「定住者の配偶者」という根拠を失いますが、日本に引き続き定着性がある場合(婚姻期間が一定年数以上、日本での生活基盤がある場合など)は、引き続き「定住者」資格への変更が認められる場合もあります。
ケースバイケースで慎重な対応が必要です。
Q3. 定住者と結婚したばかりですが、仕事をすぐ始められますか?
「定住者」資格には就労制限はありませんので、資格取得後は特に制限なく仕事を始めることが可能です。
まとめ
今回は「定住者」と外国人が結婚した場合の在留資格の扱いについて詳しく解説しました。
ポイントをまとめると以下の通りです。
・「定住者」と外国人が結婚した場合、配偶者も「定住者(告知定住)」の資格で在留できる
・申請方法は「在留資格認定証明書交付申請」または「在留資格変更許可申請」
・結婚の真実性、経済基盤、日本での居住意思が重要な審査ポイント
・丁寧な証明資料の準備が成功のカギ
当事務所のサポートを活用することで、書類準備・申請プロセスが格段にスムーズになります。
「定住者」の配偶者ビザ申請をご検討の方は、ぜひ当事務所までご相談ください。
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