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合同会社の合併手続き完全解説

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こんにちは、東京都中央区のビザ申請専門行政書士の山田です。


近年、合同会社(LLC)は、設立や運営の手軽さ、柔軟な経営形態によって、中小事業者や外国人経営者の間で人気が高まっています。
しかし、事業の拡大や再編を進めるなかで「合同会社同士を合併したい」と考えるケースも増えています。


実は、合同会社の合併は株式会社とは少し異なり、社員全員の同意が必要であり、法的手続きにも独自の特徴があります。
この記事では、合同会社の合併手続きについて、法律・登記・税務の観点から行政書士がわかりやすく解説します。


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目次

1. 合同会社の合併とは?

合同会社の合併とは、二つ以上の合同会社が一つに統合されることを指します。
統合により、消滅会社の権利や義務、契約関係、従業員、債務などが存続会社に引き継がれます。

合併の目的はさまざまで、たとえば次のような理由が挙げられます。

・グループ内の事業統合や効率化
・経営基盤の強化
・同業種間でのノウハウ共有
・人材や設備の統合
・複数事業の整理・再構築

2. 合併の種類:吸収合併と新設合併

合同会社の合併には大きく分けて2種類あります。

一つ目は「吸収合併」です。
これは、一方の会社(存続会社)が他方(消滅会社)のすべての権利義務を引き継ぐ方法です。
消滅会社は解散し、存続会社に統合されます。
実務上、この方式が最も一般的で、手続きも比較的シンプルです。

二つ目は「新設合併」です。
これは、複数の会社が全て解散し、新しく設立する合同会社に事業を引き継ぐ方法です。
登記や契約関係の整理が複雑になるため、実務上はあまり採用されませんが、グループ再編などでは有効な選択肢です。

3. 合同会社合併の法的根拠と原則

合同会社の合併は、会社法第637条以下に規定されています。
株式会社のように株主総会による特別決議は不要ですが、合同会社の場合は社員全員の同意が必須です。

つまり、社員(出資者)の中に一人でも反対者がいると、合併は成立しません。
そのため、事前の合意形成と話し合いが非常に重要です。

合同会社の社員は、単なる出資者ではなく、経営に直接関与する立場です。
このため、合併は出資比率や業務執行権の変更につながるため、慎重な検討が求められます。

4. 吸収合併の手続きの流れ

吸収合併の場合、一般的には以下のような流れで進みます。

・合併契約書の作成
合併条件を明記した契約書を作成します。
内容には、存続会社と消滅会社の名称・所在地、合併の効力発生日、社員の地位、持分比率などを定めます。

・社員全員の同意取得
合併契約は、社員全員の同意が必要です。議事録を作成し、各社員の署名や押印を残します。

・債権者保護手続き
官報公告または個別通知を行い、債権者に異議を申し立てる機会を与えます。
異議申立期間は少なくとも1か月以上設ける必要があります。

・登記申請
合併の効力発生日に、法務局で登記申請を行います。
存続会社は「合併による変更登記」、消滅会社は「解散登記」となります。

・税務・社会保険関係の届出
合併後、税務署・都道府県税事務所・市区町村役場に届出を行い、社会保険・雇用保険等の手続きを済ませます。

これらの手続きがすべて完了して初めて、合併の効力が正式に発生します。

5. 新設合併の手続き概要

新設合併の場合、各合同会社が同時に消滅し、新たに設立される合同会社が権利義務を引き継ぎます。
合併契約書には新会社の商号、本店所在地、出資額、社員構成などを定めます。

登記や税務処理の負担が大きいため、中小企業ではあまり用いられませんが、複数法人の再編時には選択肢となります。

6. 登記に必要な主な書類

合併登記を行う際には、次の書類が必要となります。

・合併契約書
・社員全員の同意書
・債権者保護公告証明書
・合併に関する議事録
・登記申請書
・印鑑証明書(代表社員)
・登記免許税納付書

登記免許税は、存続会社において資本金が増加する場合、その増加額の1000分の7が課税されます。
司法書士に依頼する場合の費用相場は10万~20万円程度が一般的です。

7. 税務上の取扱い:適格合併と非適格合併

税務上、合同会社の合併は「適格合併」と「非適格合併」に分類されます。

適格合併とは、一定の条件を満たすことで課税を繰り延べできる合併のことです。
主な条件は以下の通りです。

・合併後も事業が継続していること
・出資比率が大きく変わらないこと
・親子会社など支配関係がある場合

これらの条件を満たせば、資産を簿価で引き継ぐことができ、課税を避けられます。

一方、条件を満たさない「非適格合併」では、資産が時価で評価され、譲渡益に課税が発生します。
合併前に税理士と相談し、適格・非適格の判断を行うことが極めて重要です。

8. 合併後の実務手続き

合併が完了した後にも、さまざまな実務手続きが必要です。

たとえば、次のような対応があります。

・銀行口座や契約書類の名義変更
・許認可の名義変更や再申請(建設業・介護・飲食業など)
・社会保険・雇用保険手続きの変更
・取引先・顧客への通知
・ホームページや名刺、会社印の変更

これらを怠ると、後に取引トラブルや支払遅延などの問題につながる可能性があります。
行政書士や社会保険労務士と連携しながら、順序立てて進めることが大切です。

9. 合併のメリットとデメリット

合同会社の合併には次のようなメリットがあります。

【メリット】
・経営資源(人材・ノウハウ)の統合
・規模拡大による競争力強化
・コスト削減効果
・株式会社より登記コストが低い

【デメリット】
・社員全員の同意が必要で、1人でも反対すれば成立しない
・債務も承継するため、事前調査(デューデリジェンス)が重要
・社員間の持分調整が難しい
・許認可や契約を引き継げない場合がある

これらを踏まえ、メリットを最大化しつつリスクを管理することが合併成功の鍵です。

10. 外国人経営者の場合の注意点

外国人が経営する合同会社を合併する場合も、在留資格「経営・管理」の要件に注意が必要です。
会社の形態や代表者が変わると、入管から事業継続性の証明を求められることがあります。

そのため、合併後には次のような資料を整えることが望ましいです。

・合併後の事業計画書
・雇用継続計画書
・合併契約書の写し

これにより、入管に対して「実態が継続している」ことを明確に示すことができます。
外国人経営者が合併を行う場合は、行政書士に早めに相談するのがおすすめです。

11. 補助金・助成金と合併の関係

合同会社の合併は、補助金の申請においても重要なポイントになります。
小規模事業者持続化補助金などでは、事業承継・再編・統合に関する加点制度があり、合併は加点対象となることもあります。

合併により経営基盤を強化し、新しい市場に挑戦する計画を立てることで、補助金の採択率が高まる可能性があります。
このため、合併を行う際には、補助金・助成金制度の活用も視野に入れておくと良いでしょう。

12. 行政書士がサポートできること

合同会社の合併は、法務・登記・税務・労務・入管といった複数の領域にまたがります。
行政書士としてサポートできるのは、以下のような部分です。

・合併契約書・議事録・同意書の作成
・官報公告文の原稿作成・掲載手続き
・許認可の名義変更・再申請
・「経営・管理」ビザ更新時の事業継続書類の作成
・補助金・助成金の申請サポート

司法書士・税理士・社労士と連携し、ワンストップで支援を行うことで、合併をスムーズに完了させることが可能です。

13. まとめ

合同会社の合併は、単なる法人手続きにとどまらず、経営再構築や事業拡大のチャンスでもあります。また経営管理ビザの要件で「資本金3000万円以上の会社を経営」となったので、資本金を増やすのは急務です。
ただし、合併には社員全員の同意や債権者保護、税務処理など、慎重な対応が求められます。

専門家の助言を得ながら計画的に進めることで、トラブルを防ぎ、スムーズな合併を実現できます。
行政書士・司法書士・税理士と連携することで、法務・税務・登記・許認可を一体的にサポートできます。

合同会社の合併を検討中の方、またはすでに合併契約書の作成や登記準備を進めている方は、ぜひ一度ご相談ください。

事業再編や外国人経営者の在留資格にも精通した行政書士として、最適な形での合併をサポートいたします。

電話番号は03-3552-6332
メールアドレスは  info@future-design.info

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