日本人の配偶者等(結婚)ビザと「質問書」の重要性

こんにちは、東京都中央区のビザ申請専門行政書士の山田です
外国人の方が日本人と結婚をし、「日本人の配偶者等」という在留資格を取得する際、他のビザとは異なる特徴的な提出書類が求められることをご存知でしょうか?
その一つが「質問書」です。
この「質問書」は、形式としては数ページの書類ですが、内容を読み進めていくと、申請者と日本人配偶者のこれまでの交際の経緯、結婚の背景、言語の壁をどう乗り越えてきたか、そしてお互いの家族構成に至るまで、詳細な情報を記載する必要があります。
今回は、この「質問書」の重要性や、許可を得るために必要な証明資料の整え方について、行政書士としての視点から詳しくご説明いたします。
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目次
- ○ 「日本人の配偶者等」ビザとは?就労制限がない特別な在留資格
- ○ 質問書とは何か?どんなことを記載するのか
- ○ 質問書と併せて提出すべき「真剣交際を裏付ける証拠」
- ○ なぜここまで細かく書かなければいけないのか?
- ○ 審査官の視点で考える:どうすれば「真剣さ」が伝わるか?
- ○ ビザ取得後の注意点
- ○ まとめ:「質問書」は心を込めたラブレターのようなもの
- ○ 最後に:申請に不安のある方へ
「日本人の配偶者等」ビザとは?就労制限がない特別な在留資格
まずは前提知識として、「日本人の配偶者等」という在留資格について簡単にご説明します。
この資格を得ることで、以下のようなメリットがあります:
・就労制限がない(職種・業種・時間に制限なし)
・起業して経営者になることも可能
・家族滞在ビザとは異なり、配偶者が自由に働ける
・更新も比較的スムーズ(条件を満たせば)
こういった利点があるため、不法就労を目的とした「偽装結婚」が後を絶たず、法務省・入管当局も非常に慎重に審査を行っているのです。
質問書とは何か?どんなことを記載するのか
「質問書」は、申請書類の一部ではありますが、実質的には【審査官への説明書】のような役割を果たします。
主な記載項目は以下のようなものです:
・初めて出会った日、出会いのきっかけ
・初対面の時期・場所・状況
・交際開始の時期、交際の内容
・結婚を決めた理由と時期
・家族への紹介の有無とその時期
・相手の国籍、会話に使用する言語について
・結婚式の有無、届出日、婚姻届提出のタイミング
このような質問項目からも分かるとおり、審査官が知りたいのは、
「この夫婦は、形式だけの結婚ではなく、真剣に人生を共に歩もうとしているのか?」
という一点です。
質問書と併せて提出すべき「真剣交際を裏付ける証拠」
質問書だけでは、内容に信ぴょう性があるか判断が難しい場合があります。そのため、「交際の実態」を示す補足資料の提出が推奨されます。具体的には以下のようなものです:
1. 二人の写真
・初めて会った頃の写真から現在まで
・デートの風景、家族との集合写真などもあると尚良し
2. メールやチャットのやり取り
・LINE、Messenger、WhatsAppなど
・スクリーンショット形式で提出可能
3. 手紙・カード
・誕生日や記念日に送った手紙やカード
・自筆のものであると信ぴょう性が高い
4. 結婚式・両親への紹介記録
・結婚式を挙げた場合はその写真
・親族の顔合わせの記録なども良い資料となります
なぜここまで細かく書かなければいけないのか?
多くの申請者から「こんなに細かく聞くの?」という反応をいただきますが、これはすべて「偽装結婚を防ぐため」です。
実際に、過去には以下のようなケースでは不許可となる可能性が高くなっています:
・交際の期間が極端に短い(1か月以内)
・結婚式や家族の紹介もない
・使用言語が全く一致しておらず、意思疎通が困難
・夫婦で同居していない
入管側からすれば、「お金目当て」「ビザ目的」での結婚を排除したいという姿勢は当然のことです。
審査官の視点で考える:どうすれば「真剣さ」が伝わるか?
許可されるかどうかのカギは、「いかに具体的かつ誠実に交際の実態を伝えられるか」です。
例えば、以下のような点が評価されやすいです:
・毎週末の定期的な面会、遠距離交際での渡航履歴
・家族との交流、イベントへの参加
・一緒に写っている写真の多さや多様性(季節・場所など)
「二人の結婚に対する本気度」が伝われば、審査官も納得して許可を出す方向に傾きます。
ビザ取得後の注意点
「日本人の配偶者等」ビザを取得した後でも、最初の1年、そして次の更新時には、入管は引き続きその結婚生活が真実かどうかを観察しています。
・同居しているか?
・定職に就いているか?
こういった点がチェックされ、実態がないと判断された場合、更新が許可されないこともあります。初回取得だけでなく、継続的に「信頼できる在留者」であることが求められます。
まとめ:「質問書」は心を込めたラブレターのようなもの
「日本人の配偶者等」のビザ申請における「質問書」は、ただの書類ではありません。お二人のこれまでの歴史を振り返り、なぜこの人と一緒に生きていきたいのかを真摯に伝えるための、心のこもった手紙とも言えるでしょう。
入管は、提出された全ての書類から「信頼できる交際・結婚かどうか」を判断します。
だからこそ、形式的な文章ではなく、お二人のストーリーを丁寧に伝えることが、許可への最短ルートなのです。
最後に:申請に不安のある方へ
ビザ申請の現場では、小さなミスや不備が思わぬ不許可につながることがあります。特に「日本人の配偶者等」ビザは、提出資料の質と構成が大きく影響します。
当オフィスでは、質問書の作成支援から交際履歴資料の整理、写真選定のアドバイスまで、トータルでサポートしています。
申請に不安のある方、まずは一度ご相談ください。
電話番号は03-3552-6332
メールアドレスは info@future-design.info
あなたの未来計画を応援します。
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