成年後見制度とは?任意後見と法定後見の違いをわかりやすく解説

こんにちは、東京都中央区の行政書士・上級相続診断士の山田です。
先日、ある介護支援専門員(いわゆるケアマネジャー)の方とお話をする機会がありました。現場の第一線で高齢者の支援をされているケアマネジャーの皆さまは、まさに地域包括ケアの要ともいえる存在です。ご本人やご家族の希望を踏まえつつ、その方に最適な介護サービスを提案し、生活を支えていく重要な役割を担っています。
ところが、そのケアマネジャーの方がおっしゃいました。
「成年後見制度という名前は聞いたことがあるけれど、実は詳しく知らないんです。」
目次
- ○ ケアマネジャーでも「成年後見制度」をよく知らない?
- ○ 成年後見制度には2種類あります
- ・● 法定後見制度
- ・● 任意後見制度
- ○ ケアマネさんが成年後見を知らないとどうなるか?
- ○ ケアマネジャー向け「成年後見制度セミナー」をご提案します
- ・セミナーでお伝えできる内容の一例:
- ○ 成年後見制度は「人を支える仕組み」です
- ○ まとめ:成年後見制度の理解が支援の質を高めます
- ○ 成年後見制度に関するご相談・セミナー開催のご依頼は、下記までお気軽にご連絡ください。
ケアマネジャーでも「成年後見制度」をよく知らない?
これはその方に限った話ではなく、多くのケアマネジャーの方が同様の状況にあるようです。介護の現場においては、「成年後見制度」の知識があるかどうかで支援の幅が大きく変わってきます。
成年後見制度は、高齢者や障がい者など判断能力が不十分な方を法的に支援するための制度です。これにより、預金の管理、施設入所の契約、不動産売却など、本人に代わって重要な法律行為を行うことが可能になります。
しかし、現実には「名前は知っているけれど、内容まではわからない」「どうやって利用すればいいのかわからない」といった声が聞かれるのです。
成年後見制度には2種類あります
成年後見制度には、大きく分けて次の2種類があります。
● 法定後見制度
本人の判断能力がすでに十分でない場合に、家庭裁判所が後見人を選任する制度です。以下の3つの類型があります。
・後見:ほぼ判断能力がない方が対象
・保佐:判断能力が著しく不十分な方が対象
・補助:判断能力が一部不十分な方が対象
後見人は家庭裁判所によって選ばれるため、ご家族が希望しても必ずしも親族が選任されるとは限りません。弁護士・司法書士・社会福祉士・行政書士など、第三者の専門職が選ばれるケースも多いです。
● 任意後見制度
まだ本人に判断能力があるうちに、「将来認知症などで判断能力が低下したときには、この人に支援をお願いしたい」という意志を、公正証書であらかじめ契約する制度です。
この制度のポイントは、「自分で後見人を選べる」こと。そして、後見契約はすぐに発動するのではなく、本人の判断能力が低下したときに家庭裁判所にて任意後見監督人の選任を経て発効します。
ケアマネさんが成年後見を知らないとどうなるか?
先述のケアマネジャーの方も話しておられましたが、担当している高齢者の方が徐々に認知症になってくると、「どうすればいいのかわからない」という状況に陥ってしまうそうです。
例えば、
・預金をおろせなくなってしまった
・入所契約や施設変更の手続きができない
・不動産の処分が必要なのに動けない
といった場面で、本人の判断能力がない場合、誰も法的に手続きできないという問題が生じます。成年後見制度を知っていれば、こうした事態を未然に防げたかもしれません。
しかし、成年後見の相談を行政に持っていっても、実務的な面まではフォローしてもらえず、結局どうすればよいか迷ってしまう…というケースも少なくないのが現状です。
ケアマネジャー向け「成年後見制度セミナー」をご提案します
こうしたお話を受けて、私は「ケアマネジャーの皆さま向けに成年後見制度のセミナーを開催するのは非常に意義があるのではないか」と感じました。
制度の基本から、任意後見・法定後見の違いや活用事例、実際の申立手続きまで、具体的にわかりやすく解説することで、現場で困ったときにすぐに動ける知識と自信が得られます。
セミナーでお伝えできる内容の一例:
・成年後見制度の概要
・任意後見と法定後見の違いと、メリット・デメリット
・実際にどのようなケースで制度が使われるのか
・任意後見契約の概要
・家庭裁判所への任意後見監督人選任の申立方法
・親族との連携方法
・任意後見人には親族・専門職、どちらが良いか
・おひとり様の場合は特に、任意後見契約と併用すべき「見守り契約」「遺言書」「死後事務委任契約」
これまで、制度に触れる機会がなかったケアマネジャーの方でも安心してご参加いただける内容にいたします。
成年後見制度は「人を支える仕組み」です
成年後見制度は単なる法律的な制度ではなく、「人の人生と尊厳を守る」仕組みです。とくに高齢者や認知症の方が安心して暮らすためには、医療・介護の連携と同じくらい、法的支援の体制づくりが重要です。
ケアマネジャーの皆さまが制度に精通することで、ご本人・ご家族により安心な生活支援ができるようになります。
まとめ:成年後見制度の理解が支援の質を高めます
ケアマネジャーの皆さまが、成年後見制度をしっかりと理解することは、地域福祉を支える大きな力になります。制度の正しい知識と使い方を共有し、必要な場面で迅速に適切なサポートができる体制を整えていきましょう。
「成年後見制度の説明を聞いてみたい」「職場内で勉強会をしてみたい」「施設全体で制度理解を深めたい」というご要望があれば、ぜひお気軽にご相談ください。出張セミナーも対応可能です。
成年後見制度に関するご相談・セミナー開催のご依頼は、下記までお気軽にご連絡ください。
📞 電話:03-3552-6332
✉️ メール:info@future-design.info
行政書士オフィス未来計画では、成年後見制度の啓発と現場の支援体制強化を応援しています。皆さまからのご連絡を心よりお待ちしております。
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