自社物件貸しと宅建業-宅建業かどうか?

こんにちは、東京都中央区の行政書士の山田です。
不動産に関するビジネスを始めようとするときに、よくいただくご相談の一つが「この事業は宅建業にあたるのか?」というものです。特に、自社で所有する物件を貸したり、借り上げた物件を転貸する場合に宅建業免許が必要なのかどうか、多くの方が疑問に思われます。実際、宅建業法は「他人のために」取引を行う場合に適用されますが、自己の物件を貸す場合や転貸事業の場合には扱いが異なります。
本記事では、宅建業の基本的な定義から始めて、自社物件の賃貸や転貸(サブリース、マンスリーマンション、シェアハウス、民泊など)における宅建業との関係を詳しく解説していきます。さらに、宅建業免許が必要となるケースと不要なケースを整理し、最後にチェックリスト形式でご自身の事業がどの位置に当てはまるかを確認できるようにしました。これから不動産関連事業を検討されている方は、ぜひ参考になさってください。
目次
- ○ 宅建業とは何か?基本的な定義
- ○ 自社物件を貸す場合は宅建業にあたるか?
- ○ 他人の物件を扱う場合はどうか?
- ○ 転貸借(又貸し)の場合はどうか?
- ○ 宅建業免許の要否を確認するチェックリスト
- ○ 実務上の注意点
- ○ まとめ
宅建業とは何か?基本的な定義
宅地建物取引業法(宅建業法)第2条によれば、宅建業とは次のように定義されています。
宅地や建物について、業として(反復継続の意思をもって)他人のために売買・交換・貸借の代理や媒介を行うこと。
つまりポイントは以下の通りです。
・他人のために行うこと
・業として(反復継続して)行うこと
したがって、自己所有の物件を自分の名前で貸す場合は「他人のために」ではなく「自分のために」行う行為ですから、宅建業には該当しません。
自社物件を貸す場合は宅建業にあたるか?
結論からいえば、自社所有の物件を貸す行為は宅建業に該当しません。
たとえば、
・自社が所有するオフィスビルをテナントに賃貸する
・自社が持つマンションを賃貸住宅として提供する
これらはいずれも自己物件の賃貸であり、宅建業法の免許は不要です。
他人の物件を扱う場合はどうか?
一方で、他人が所有する物件について以下のような行為を行う場合は、宅建業に該当します。
・賃貸借契約の 仲介(媒介)
・オーナーの代理人としての 代理契約
・売買や交換の 仲介や代理
このように、自分が契約の当事者にならず、オーナーと借主・買主の間を取り持つ場合は、宅建業免許が必要になります。
転貸借(又貸し)の場合はどうか?
ここで疑問に上がるのが「賃貸物件を借りて、さらにそれを第三者に貸す(転貸借)」の場合です。
この場合、転貸人は契約上「貸主」の立場となります。したがって、自己の物件を貸すのと同じ扱いとなり、宅建業には該当しません。
ただし注意点があります。
・オーナーの承諾が必要
無断で転貸すれば契約違反となり、賃貸借契約解除のリスクがあります。
・事業として広く行う場合
サブリースやマンスリーマンション、シェアハウスのように事業規模で転貸する場合でも、宅建業免許は不要ですが、サブリース新法や旅館業法・民泊新法など、別の法律の規制を受ける可能性があります。
・仲介をすると宅建業
自分が当事者ではなく、オーナーと入居者の間を単に取り持つだけであれば、それは媒介行為であり宅建業に該当します。
宅建業免許の要否を確認するチェックリスト
ステップ1:契約当事者かどうか
・自分が貸主・借主となる → 免許不要
・他人の代理・媒介をする → 免許必要
ステップ2:所有か借り上げか
・自社所有物件を貸す → 免許不要
・借り上げ物件を転貸する → 免許不要
ステップ3:長期か短期か
・長期賃貸 → 免許不要
・短期宿泊(1日〜週単位) → 旅館業法や民泊新法が必要
ステップ4:事業規模
・個人利用や少数物件 → 原則不要
・大規模事業 → 宅建業免許は不要でも、信用面から取得する場合あり
実務上の注意点
・宅建業免許が不要でも、信頼性のために取得するケース
サブリース事業者や転貸業者の中には、宅建業免許を取得することで金融機関や顧客からの信用を高めている事例もあります。
・短期貸しと旅館業法の関係
「賃貸」と「宿泊」は法律上区別されます。実態が宿泊に近い場合は宅建業ではなく旅館業の規制を受けます。
まとめ
・自社物件の賃貸や借り上げ物件の転貸は 宅建業免許不要。
・他人の物件の仲介や代理を行う場合は 宅建業免許が必要。
・マンスリーや民泊など短期利用は、宅建業ではなく旅館業法や民泊新法の規制を受ける可能性がある。
・規模が大きい事業では、宅建業免許を持つことで信用性が増す。
不動産事業を始める前に、どの法律が関わるのかをしっかり確認しておくことが重要です。
不動産事業の立ち上げや宅建業免許の要否判断、サブリース・民泊に関する法的整理について専門家に相談したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
電話番号は03-3552-6332
メールアドレスは info@future-design.info
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