不法滞在と在留特別許可ー早めに手続きしましょう!

こんにちは、東京都中央区のビザ申請専門行政書士の山田です。
今回は、よくあるパターンの不法滞在(オーバーステイ)の方が日本人・永住者と結婚したので、在留特別許可を希望するケースについて、実務経験に基づきわかりやすく解説いたします。
本記事では、
在留特別許可とはそもそも何か、どのような流れで手続きが進むのか、出頭前に必ず整えるべきポイント、提出書類と立証資料、許可されやすいケース・されにくいケース、実務上の注意点とリスク
を、できるだけ専門用語を避けながら丁寧に解説していきます。
目次
- ○ 在留特別許可とは何か?正しい理解が第一歩
- ○ 出頭(自主申告)から手続きは始まる
- ○ 出頭後の手続きの流れ
- ○ 在留特別許可の審査で重視されるポイント
- ○ 提出資料(一般的に必要となるもの)
- ○ 許可される場合・不許可になる場合の一般傾向
- ○ 出頭前に必ず準備すべきチェックポイント
- ○ まとめ:在留特別許可は「最後の救済」だからこそ慎重に
在留特別許可とは何か?正しい理解が第一歩
まず最も重要な前提として、在留特別許可は「申請する制度ではありません」。
入国管理法上、在留特別許可とは、
・退去強制手続きの中で、法務大臣が個別事情を考慮して例外的に日本での在留を認める措置
です。
つまり、
・申請窓口があるわけではない
・書類を提出すれば自動的に審査されるわけではない
・誰にでも認められる制度ではない
という点を、必ず押さえておく必要があります。
よくある誤解として、
「結婚したから申請できる」
「役所で婚姻届を出せば在留許可がもらえる」
というものがありますが、これは全くの誤解です。
婚姻はあくまで事情の一つであり、不法滞在の違法性は消えません。そのため、軽い気持ちで手続きを進めると、取り返しのつかない結果を招きかねないのです。
出頭(自主申告)から手続きは始まる
在留特別許可を目指す場合、最初のステップは必ず 本人が入管へ出頭することです。
出頭とは、自ら違反状態であることを申告する行為を指します。
● 出頭時の実務ポイント
・配偶者の同行は強く推奨(誠実性と逃亡防止の観点)
・即日収容される可能性がある
・ただし管理措置となる例もある
収容とは、入管の施設に身体を拘束される状態です。
必ずしも全員が収容されるわけではありませんが、可能性はゼロではない点を理解し、事前準備が不可欠です。
準備をせずに出頭してしまい、
・収容されたまま必要資料の提出ができない
・夫婦の実態を立証できず不許可
という事例も実際に存在します。
出頭後の手続きの流れ
出頭すると、以下のように手続きが進みます。
1.違反調査
・いつ入国したか
・なぜオーバーステイになったのか
・就労の有無などを確認
2.容疑確認(違反調査票の作成)
入管法違反の事実関係が整理されます。
3.審判(口頭審理)
退去強制の対象か判断されます。
通常であれば、ここで 退去強制令書が発付される流れですが、本人の事情を踏まえ、例外的に救済される可能性があるのが在留特別許可です。
在留特別許可の審査で重視されるポイント
入管は一つの要素で判断を下すことはなく、
必ず総合評価を行います。
以下は特に重視される代表的な要素です。
1. 婚姻の真実性
偽装婚の疑いがあると、結果は極めて厳しくなります。
具体的には、
・交際の経緯や出会いの時期
・同居の実態
・夫婦での意思疎通能力
・相手家族との関係
・第三者証言
などを総合的に確認されます。結婚1年経過は一定の評価材料ですが、それだけで許可されるわけではありません。
2. 同居実態・生活基盤の安定性
・住民票の同一世帯
・賃貸契約書の名義
・公共料金の支払い状況
は特に重要です。
同居していない、別居中、住所が不明確などは、大きなマイナスとなります。
3. 生活維持能力(扶養能力)
不法滞在者は就労できないため、配偶者の収入がカギとなります。
・源泉徴収票
・住民税課税/納税証明書
・在職証明書
などを提出するのが一般的です。
4. 違反歴・犯罪歴の有無
不法就労は明確にマイナス評価です。
ただし、
・反省文の提出
・現在は就労していない
・刑事処分がない
などの事情により、改善の余地はあります。
提出資料(一般的に必要となるもの)
入管が個別に指示しますが、実務上は以下の資料が求められることが多いです。
1. 婚姻関係の立証資料
・日本人配偶者の戸籍謄本
・婚姻届受理証明書
・住民票(同居が確認できるもの)
・写真(交際時・結婚式・家族と一緒など)
・メッセージや通話履歴
・結婚に至る経緯説明書
2.生活状況と扶養能力の証明
・収入証明書類(課税証明書・源泉徴収票)
・在職証明書
・必要に応じて支援者の嘆願書
3.反省・事情説明関連
・本人の陳述書(オーバーステイ理由・反省内容)
・配偶者の嘆願書
・第三者(親族・勤務先など)の嘆願書
これらの書類は、単に集めれば良いわけではなく、矛盾がないこと、説明に一貫性があることが極めて重要です。
許可される場合・不許可になる場合の一般傾向
〇 許可の可能性があるケース
・婚姻が真実であり同居実態が確認できる
・夫婦の生活が安定している
・違反がオーバーステイのみでほかに問題がない
・自主的に出頭している
・深い反省がみられ再発の可能性がない
✖不許可になりやすいケース
・偽装婚が疑われる(交際歴不自然・別居)
・生活能力が不足(無収入・扶養不能)
・不法就労を継続している
・収容後に協力的でない
・虚偽申告や書類偽造が存在する
特に、
「出頭後もこっそり働いてしまう」
これは取り返しのつかない致命的行為です。
出頭前に必ず準備すべきチェックポイント
出頭前の準備が、結果を大きく左右します。
◆ チェックリスト例
・現在不法就労を行っていないか
・夫婦の同居が証明できる状態か
・生活費は配偶者が負担できる状態か
・必要書類を可能な限り揃えているか
・夫婦の関係を説明できるか
・反省の意思が明確か
準備が不十分なまま出頭すると、取り返しのつかない結果になる可能性があります。
まとめ:在留特別許可は「最後の救済」だからこそ慎重に
大切なのは、
・真実の婚姻であること
・誠実な態度で臨むこと
・嘘をつかないこと
・出頭前の準備を徹底すること
です。
在留特別許可は、どれだけ専門家であっても100%の結果を保証することはできません。しかし、正しい手順で進めることで、前向きな結果につながる可能性は確実に高まります。不法滞在・在留特別許可に関するご相談は、決して一人で抱え込まず、専門家たる当事務所へ早めにご相談ください。
特に最近の在留資格全般が審査厳格化されているので、今までは許可になっていた在留特別許可でも、今後は不許可になる可能性があります。オーバーステイなどで日本に不法滞在している方で、在留特別許可の可能性のある場合は、早めに入管に出頭して在留特別許可を入管に求めることをお勧めします。
電話番号は 03-3552-6332
メールアドレスは info@future-design.info
あなたの未来計画を応援します!
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